はじまりは2022年の春、1人の若者が支局を訪ねて来た。地元高校から関西の大学を経て20年間、大阪でデザインの仕事をしてきた彼（まーしぃ）だ。彼の父が私の親しい友人なので事前に話は聞いていた。「ふと帰りたくなった」「帰らなきゃいけない」「都会暮らしにちょっと疲れた」「今かな・・」様々な思いが重なり、思い切って退職して帰って来たのだという。 大正大学阿南支局では様々な地域創生に取り組んできたが、なかでも「高校を卒業するまでに、生まれ育った地域の人や行事、企業との関わりを持つことが将来のUターンにつながる」の仮説のもと、地元の魅力的な人や企業を高校生たちに紹介する活動に注力してきた。そんな彼が続けていう。「外に出て自分の生まれたまちが気になってきた」「地元のことをもう一度、よく知りたい」・・・。高校までに地元との交流はほとんどなかったが、Uターンして自分の生まれたまちや自然のことをもっと知りたくなったと言うのだ。 ここで、新しい仮説が生まれた。高校までにこだわらなくても「ふるさとのことを知りたい」という気持ちは、いつかある日突然湧き上がるのではないか・・・そして、その気持ちが湧きあがった時に、ふるさとの『ひと・まち・しごと』を伝え、そして互いをつなぐ情報ツールが必要だと。少し回りくどくなったが、このWEBサイト『阿南人』の目指すコンセプトをご理解いただけただろうか？ 「自分が関わって来たデザインの力で地元に何か貢献したい」と意気込む「まーしぃ」と「地元のことならなんでも知っている」と見栄を切る「スーG」が、阿南市役所や関係団体のご支援ご協力をいただきながら、この『阿南人』で耳寄りな情報を発信していきたい。 もちろん、新しいふるさとを探している「移住」「関係人口」の方々にも、阿南の魅力を知っていただき、選択肢の最有力に選んでいただければこのうえない。